こんにちは、カスタマーサポートリーダー.comの古瀬欣也です。
今日は、カスタマーサポートリーダーが育たない理由についてお話します。
これまで、たくさんのカスタマーサポート部署を見てきました。
その中で、残念なカスタマーサポートをしている所に、
共通の問題があります。
それは……
カスタマーサポートリーダーの不在です。
厳密に言うと、リーダーは在籍しています。
しかし、カスタマーサポートリーダーとして機能しているかというと、
大いに疑問なのです。
なぜ、カスタマーサポートリーダーとして疑問なのか?
まず、カスタマーサポートは、専門職です。
そして、激務なのです。
お客様からのお問い合わせに対応し、
時にはクレーム対応まで行います。
このクレーム対応に失敗してしまうと、
お客様は、その企業から離れてしまい、
ネットで情報が拡散、企業の信用低下を招きます。
そのため、カスタマーサポート職は、
新入社員の頃から、管理職と同等のスキルが求められます。
すなわち、お客様の要望を的確に理解し、
声になっていない問題点を汲み取り、
適切な案内を差し上げてゴールに導く。
では、このルーチンが機能している企業は、どれくらいあるでしょうか?
残念ながら、現状では、数少ないと言えるでしょう。
それは、日々の電話に忙殺され、受話器を置くことがゴール。
となっているカスタマーサポートが増えているからです。
そんな環境で育ったカスタマーサポートリーダーは、
受話器を置くことがゴールになっているため、
企業の信頼維持・向上というゴールを理想論と感じます。
そして、お客様の要望と企業側の主張の板挟みとなり、
疲弊していくのです。
当然、新人の定着率は下がり、クレームは増えます。
そこで、クレームに耐えうる人材が残り、
形はともかく、辞めない人材がリーダーに就任します。
結果、部下育成においても、耐えることが主眼となり、
板挟みが増加して疲弊していくという、
悪循環が発生してしまうのです。
一方で、他部署から配属されたリーダーは、どうでしょう?
先に書いた通り、カスタマーサポートは専門職です。
他部署で培った経験で活かせるものは多いと思いますが、
カスタマーサポート職特有のお客様の立場になるという感覚が、
どうしてもズレてしまいます。
これは、日々電話応対やメールでお客様とのやり取りを行っている
カスタマーサポート職とは、顧客応対の絶対数が違い、
顧客要望の質が違うことい起因んしています。
私自身、年間で2万本を超える電話応対をこなしてきました。
どれだけ優秀な営業マンであったとしても、年間2万人の対応は、
難しく、一部の人に限定されるのではないでしょうか?
しかも、お問い合わせやクレームがメインであり、雑談はほとんど含まれません。
そこには、お客様の要望が如実に表れています。
かつて、カスタマーサポートと営業出身者で意見が割れた話ですが、
ある商店街のラーメン屋さんが、中華料理という看板を掲げています。
そこに来店されたお客様が、
「中華料理店なのに、フカヒレがないのはおかしい、コース料理を食べさせろ!」
と主張されています。
この時の、返答が、カスタマーサポート職と他部署からの異動組では、
かなり違っていたのです。
これが、他部署からの異動組とのズレです。
このズレによって、他部署から異動してきたリーダーは、
信頼を失い、部下の求心力を失ってしまいます。
求心力を失ったリーダーは、管理するだけのリーダーとなり、
組織の向上は望むべきもなく、疲弊していくでしょう。
こうして、カスタマーサポートリーダーが不在となってしまいます。
本当のカスタマーサポートリーダーを育成するためには、
上記の問題点を克服し、正しいカスタマーサポートの在り方のもとで、
リーダーを育成し、他部署からの異動組には、最低でも数年は、
第一線としてお客様応対をして感覚を身に着けた上で、
カスタマーサポートリーダーに任命する方がよいでしょう。
ただし、そのカスタマーサポートが正しい環境にあることが、
最低条件です。
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